日本人向け マレーシア起業・会社設立完全ガイド(2026年版)
MISHUは、マレーシアへの進出を目指す日本企業や個人の皆様を継続的に支援しています。実際、会社設立・会社登録自体はシンプルで分かりやすく、迅速に完了します。しかし、それはほんの一部に過ぎません。

適切な意思決定には、より多くの重要な情報の理解が必要です。本ガイドは、日本人の方がマレーシアで事業を始める際に弊社へご相談いただいた場合と同様の、A〜Zまでの実務的な内容をまとめたものです。
単なる会社設立(これは簡単な部分です)ではなく、実際に合法的に事業を運営するために必要なポイントは以下の通りです:
- 外国資本企業に必要な各種ライセンス
- 業種ごとの連邦レベルの規制要件
- 地方自治体(PBT)の事業所規制
- 事業形態の選択(および名義役員の必要性の有無)
- 駐在員ビザ(就労ビザ)申請
なお、「とりあえず会社だけ作って、あとで考える」というスタイルを希望される方も、そのまま進めていただいて問題ありません。その場合はお気軽にご相談ください。
それでは、始めましょう。
1. 外資系企業にはWRT / USSライセンス要件がある
マレーシアでは、外資比率が51%以上の企業のほぼすべてが以下のいずれかのライセンス申請対象となります:
- WRT(卸売・小売・貿易)ライセンス:物販・貿易系ビジネスの場合
- USS(非規制サービス業)ライセンス:サービス業の場合
いずれの場合も、最低RM1,000,000(約25万米ドル)の資本金が必要です。

これらのライセンスはマレーシア国内貿易・生活費省(KPDN)により発行され、地元中小企業を保護する目的で外資の参入業種を規制しています。そのため、ハードルが高いのは制度設計上の意図です。
現時点でこの要件を回避できる主な方法は以下の2つです:
- テック系スタートアップとしてMalaysia Tech Entrepreneur Programme(MTEP)に該当する場合
- マレーシア人との合弁会社(外資50%以下)
ただし、100%外資企業を希望する場合は、これらのライセンスおよび資本金要件は必須となります。
2. 業種ごとの外資規制を確認する
WRT / USSの要件を満たしていても、次に重要なのは業種ごとの追加規制です。
マレーシアでは多くの業種で100%外資が可能ですが、業種によって以下のような制限があります:
- 外資比率制限
- 従業員の資格・国籍要件
- 施設・物件の基準
- その他の業種別条件
代表的な例として、日本人の方からもよく相談のある語学センターの設立があります。

主な制約は以下の通りです:
- 外資上限51%(USSライセンス対象)
- ローカル持分の30%はブミプトラ所有
- 理事会(チェアマン・プリンシパル・理事5名)が必要
- 同業種施設の近隣制限
- 追加ライセンスなしでの他コース提供禁止
これらを受け入れる企業もあれば、シンガポールへ拠点を移す企業もあります。会社設立前に必ず業種要件を確認してください。
3. 実際にどこで事業を行うかを決める
業種ライセンスは連邦政府が管理しますが、実際の事業所許可や看板許可は各地方自治体(PBT)が管轄しており、マレーシア全体で151の自治体が存在します。
実店舗を持つ場合、事前に所在地を決めることが非常に重要です。

いわゆる「PBTライセンス」は事業運営の最終関門とも言えます。他がすべて問題なくても、事業所・看板規制を満たさなければ営業できません。
そのため、物流でいう“ラストマイル”と同様に重要であり、弊社では事前に以下のPBT規則の確認を強く推奨しています:
- 周辺の事業種別との距離
- 住宅地・宗教施設との距離
- 住宅物件での営業可否
- レイアウト要件
また、看板についてもマレーシア語(国語)の優先表示など厳格なルールがあります。

これは基準を満たしていません。
この規制違反により、多くの企業が罰金や営業停止のリスクに直面しています。
4. 事業形態(法人形態)の選択
規制要件を理解した上で、初めて法人形態を検討します。日本人が選べる主な形態は以下の2つです:
- 支店(Branch Office)
- Sdn Bhd(現地法人)
支店は海外本社の延長であり設立が早く安価ですが、親会社がすべての法的責任を負います。
一方でSdn Bhdは現地法人であり、設立はやや複雑ですが、基本的に株主の責任は限定されます。

マレーシアにおける外資系子会社の例
長期的にはSdn Bhdが最も一般的であり、以下のメリットがあります:
- 有限責任
- 柔軟な運営
- 事業拡張のしやすさ
- スケーラビリティ
詳細は支店と子会社の比較記事をご参照ください。
外国人によるSdn Bhd設立の流れ
Sdn Bhdはマレーシア会社委員会(SSM)により登録されます。理論上は個人でも登録可能ですが、多くの場合SSMアカウント作成のために現地訪問が必要です。

詳細は会社登録ガイドをご参照ください。
実務的には、多くの日本人は会社秘書役(Company Secretary)を通じて設立します。これは設立後30日以内に秘書役の任命が義務付けられているためです。
MISHUのような会社秘書役に依頼した場合、通常以下を準備します:
- 会社名候補(必要に応じて説明付き)
- MSICコードと事業内容説明(約200語)
- マレーシア国内の登記住所
- 現地居住の取締役1名(名義取締役可)
- 株主(個人または法人)
- 資本金設定(最低RM2,500推奨)
形式上はRM1で設立可能ですが、銀行口座開設の観点からRM2,500以上が現実的です。
名義取締役とは?
現地取締役を用意できない場合、名義取締役を任命することがあります。ただしこれは形式上の役職であり、通常の経営権は持ちません。
ラブアン法人について
ラブアン法人は国際ビジネス向けの特殊な法人であり、マレーシア国内市場向けの事業には適していません。
5. 駐在員(外国人)雇用の検討
長期的に外国人スタッフを雇用する場合、就労ビザ(Employment Pass)が必要です。

詳細は就労ビザ完全ガイドをご参照ください。
必要条件:
- 給与要件
- 雇用主登録(ESD)
- 申請・管理体制
- 更新管理
短期滞在にはProfessional Visit Pass(PVP)も選択肢です。
6. まとめと設立スケジュール
最終的には以下を総合的に判断します:
- WRT / USS要件
- 業種規制
- PBT(地方自治体)要件
- Sdn Bhd要件
- 就労ビザ要件
通常、全体プロセスには約8〜9ヶ月程度かかります(業種や地域により変動あり)。
日本からマレーシアでの事業展開を検討されている方のご成功をお祈りしております。
マレーシアでの会社設立・WRTライセンス申請はMISHUへ 
日本人の方でマレーシア進出・会社設立をご検討中の方は、WRTライセンス申請および会社設立サポートサービスをご利用ください。会社設立からビザ申請、各種ライセンス取得までワンストップで対応可能です。
